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 激動する世界

 アフガニスタンやパレスチナのケースに代表される国際紛争はどうして起こったのか。 ヨーロッパの地域統合が抱える問題とは何だろうか。中国経済の急激な拡大によって日本やアジア諸国の将来はどうなるのだろうか。 中国はその過激な発展の故に深刻な社会問題を抱え込むことにならないだろうか。アメリカの世界覇権は最近のドルの動揺によって不 安定化するのではないだろうか。17世紀に始まった近代化革命は21世紀にいたって行き詰まりを見せているのではなかろうか。

 パラディグムの転換

 17世紀に始まった近代化革命は21世紀にいたって行き詰まりを見せているのではなかろうか。近代化 革命は市場経済の合理性と科学技術の発展によって支えられてきたのであるが、その合理性には自己破壊的な危険性が宿っているので はなかろうか。世界を二つに分裂させている豊かさと貧困の格差はいかにして乗り越えられるのか。ますます深刻化する環境問題に私 たちはどう取り組んでゆくべきだろうか。経済や政治に現れる社会問題は、私たちのアイデンティティを構成する宗教や文化とどう関 連しているのだろうか。国民国家を単位として拡充を図ってきた福祉体制は、どの先進社会でも、高齢化や少子化に行き当たって大き く揺らいでいるが、私たちはこれにどう対応すべきなのか。

 グローバル vs ローカル

 グローバリゼーションが進行するなかで、それとは対極に位置すると思わ れるローカルな生活圏の活動が活発化しており、地域通貨の実験も各地で試みられているが、これは何を意味しているのだろうか。情 報技術革命はどこまで進むのであろうか、また、それは何をもたらすであろうか−。上に挙げたのは、グローバリゼーションの進展 とともに現れてきたさまざまな難題の一部です。これらの難題は、いずれも、従来の社会科学や人文科学が当然のこととしてきた発想法 によっては解答がでてこないものばかりです。私たちの大学院は、既存の知がその有効性を失ったことを見定め、21世紀型の新しい知を 模索してゆかなければならない時代がきた、そう自覚して発足しました。

 自己再帰的な私

 私たちは、すでに解答が出ている問題について模範的な論文の書き方を指導するのではなく、社会人として、あるいは地域コミュニテ ィの生活者として、さまざまな問題を自ら体験している方たちに、問いの提出を求めたいと願っています。そして、出された問いの一つ 一つに提出者と共に対応してゆくこと、このことを新しい知のあり方と考えています。科学が真理性なるものにあぐらをかき、独善的な 権威を振るう時代はもはや過去のものとなりました。ヨーロッパの社会学者たちは、こうした新しい知のあり方を「自己再帰的」な知と 呼んでいます。

「自己再帰的」な知の構築に、あなたも参加しませんか。 
フェリス女学院大学大学院 前国際交流研究科長
山之内 靖
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