| 歴史の巨大な変化とともに進展を続けているグローバリゼーション。そこには多くの難題が立ち現れています。情報技術革命が要請する専門能力をつけた階層とそうでない階層の社会的格差の拡大、地球規模での環境問題の深刻化、中心地域への富の一極集中と周辺地域での貧困の累積、短期資金の急激な移動による地域経済の破壊、宗教や文化の違いと結びついた民族紛争の激化、これらの難題の出現自体が、一国を単位とする発想だけではグローバル化した現代の諸問題に対処することができなくなったことを告げています。
ヨーロッパ諸国連合(EU)は通貨統合にまで歩みを進めました。アジアでは東南アジア諸国連合(ASEAN)が将来の政治・経済的統合に向かって模索を続けています。現在、国際連合を始めとし、各種の超国家機関がグローバリゼーションの進展に対応しつつ、その活動を強化しています。
国家について新たな役割が模索されていることも見落とすことができません。グローバル化した超国家資本の活動が引き起こす地域社会の生活基盤破壊に対しては、国家政策的対応が必要であり、また雇用確保・職業再教育・失業保険等々からなる社会的セーフティーネットの整備が不可欠となります。こうした諸課題には、国民国家を単位とする対応が要請されます。国民国家は消え去るのではなく、グローバリゼーションに対応して再編され、新たな課題を担うようになるでしょう。
「グローバリゼーションと国民国家の変容」を主要な研究課題とする第一群「グローバリゼーション研究」では、理論的分析力の涵養に力点を置き、主要な研究対象として次の三つのテーマをあげています。
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